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ウィンボンド・エレクトロニクス、HyperRAM™市場に参入-AIoTアプリケーションのニーズに対応

台湾新竹-2019年10月30--車載用電子機器、インダストリアル4.0、スマートホームアプリケーションの急速な増加に伴い、新しいIoTエッジデバイスやヒューマンマシンインターフェイスデバイスには、サイズ、消費電力、パフォーマンス面で新しい機能が必要になってきました。MCUサプライヤはそれぞれ、市場のニーズを満たすために、より高性能で低消費電力の新世代MCUを開発しています。 さらに、総合的なシステムデザインの観点から、それら新世代MCUで動作するRAMにも、既存のSDRAMやpSRAMよりも優れたパフォーマンスを提供する新しいオプションが必要です。

HyperBus™インターフェイスをサポートするHyperRAM™は、このニーズに応える新しい技術ソリューションです。HyperBus™テクノロジーは2014年にサイプレス社によって初めて発表され、2015年に同社から初のHyperRAM™製品が発売されています。本技術は長い年月をかけ開発され、また明確なターゲット市場を持つことから、ウィンボンド・エレクトロニクスはHyperRAM™開発に参入し、32Mb / 64Mb / 128Mb各容量製品の発売を決定しました。これにより、ウィンボンドは多様なアプリケーションニーズに対応すべく製品ポートフォリオをさらに拡大するとともに、より完全なエコシステムを築くことが可能となります。

HyperRAM™がもたらすメリット

ウィンボンドのDRAMマーケット・テクノロジーマネージャーであるHans Liao氏は、「HyperRAM™の主要機能である、少ピンカウント、低消費電力、シンプルなアプリケーションデザインの3つの機能は、エンドデバイスパフォーマンスの大幅改善につながります。」と述べています。

彼は、従来のMCUの演算能力、データ処理、画像表示機能には限界があったが、車載、産業、スマートホーム、ウェアラブル向けの新しいIoTデバイスは、画像制御インターフェイスとしてタッチパネルを採用するか、または画像処理と音声認識に強力なエッジコンピューティグ機能を必要とするため、新世代の高性能で低消費電力のMCU市場がまさに拡大しているのです、と解説しています。

IoTアプリケーションの場合、市場で広く採用されるためには、低コスト、低消費電力、コンピューティング効率など、さまざまな設計上の懸念事項を満たす必要があります。 特に、スマートスピーカーやスマートメーターなどのバッテリー駆動のデバイスの場合、豊富なIoT機能と使いやすいヒューマンインターフェイスに加えて、バッテリー寿命が製品成功の鍵となり、低消費電力がますます重要になります。 長いバッテリー寿命を実現するには、低消費電力MCUを使うことに加え、他の低電力周辺機器コンポーネントも考慮されるべきであり、HyperRAM™はこのために設計されています。

ウィンボンドの64Mb HyperRAM™を例にとると、スタンバイの消費電力は90uW@1.8Vなのに対し、同容量のSDRAMの消費電力は約2000uW@3.3Vです。 さらに、HyperRAM™の消費電力はハイブリッドスリープモードで45uW@1.8Vしかありません。これは、SDRAMのスタンバイモードとは大きく異なります。一方、例えLow power SDRAMを採用したとしてもフォームファクターはHyperRAM™よりも大きくなり、より大きなPCB面積を必要とするため、これは理想的なソリューションとは言えません。

さらに、HyperRAM™の信号ピンは13本しかないため、PCBレイアウト設計を大幅に簡素化できます。 また、最終製品を設計する際に、より多くのMCUのピンで他の機能を実現したり、あるいはより少ないピンでMCUを仕様することにより費用対効果を高めることが可能になります。

制御インターフェイスの簡素化は、HyperRAM™のもう1つの特長です。 pSRAMアーキテクチャに基づいたHyperRAM™は、セルフリフレッシュ機能があり、自動的にスタンバイモードに戻ることができます。 したがって、システム側のメモリ使用が簡易化され、ファームウェアとドライバーの開発も簡素化されます。

HyerRAM™エコシステムの新しい力

ウィンボンドのDRAMマーケティング部ディレクターであるSierra Laiは、「MCUのプロセスノードが55nm、40nm、28nm、さらには16nmに移行してきていて、 このサイズはIoTの小型化傾向に対応していますが、IoTアプリケーションで必要とされるより高度なコンピューティング機能要求も満たす必要があるため、データバッファーとして新世代の外部メモリを使用する必要があります」、と付け加えました。

ただし、従来のSDRAMおよびpSRAMの開発は成熟しており、新しいIoTアプリケーション向けに最適化することはできません。 また、DRAMプロセスの移行は、新世代のJEDEC DDRx / LPDDRx製品に基づいており、38nmプロセスノードを採用したウィンボンドのHyperRAM™は、引き続き25nmに移行します。 車載および産業用アプリケーションの長期供給要件を考慮すると、ウィンボンドのHyperRAM™の高度なプロセスノードは、顧客の長寿命製品のライフサイクルを満たしていると言えます。

したがって、システム全体の設計と製品寿命の観点から、HyperRAM™は新しいIoTデバイスにとって理想的な選択肢と言えます。 「私たちは市場の需要を調査したうえで、お客様に新たな選択肢を提供するHyperRAM™製品を開発することにしました。」とSierra Lai氏は強調しました。 「もちろん、エコシステムが成熟していることは、私たちが参入するための重要なポイントです。」

現在、サイプレスの他に、NXP、ルネサス、ST、TIなどの主要なMCU企業が、HyperBus®インターフェイスをサポートするMCUを提供しており、それらの新製品は今後もこのインターフェースのサポートを続けます。 一方、制御インターフェイスの開発プラットフォームも準備ができています。 ケイデンス、シノプシス、およびモビベイルも、HyperBus®メモリ制御IPの提供を開始しており、ICベンダーの設計サイクルの加速が可能です。 その結果、他のOctal RAMと比較してみても、HyperRAM™は最も成熟したアプリケーション環境を備えています。 また、HyperRAM™は将来JEDEC規格に組み込まれ、JEDEC互換技術になります。

ウィンボンドがHyperRAM™陣営に参加したことにより、サイプレスとISSIに続き市場で3番目のサプライヤとなり、顧客により多くの選択肢を提供できるようになります。

Sierra Laiは、HyperRAM™の少ピン数と低電力特性がIoTデバイスに大きな利点をもたらすと考えています。 市場が拡大するにつれて、ますます多くの顧客がこの新世代メモリを採用し始めるでしょう。

ウィンボンドのHyperRAM™製品ラインの現状としましては、32Mbは量産中、64Mbは2019年4Qに、128Mbは2020年1Qにそれぞれ量産開始予定です。 パッケージとしては24BGA(車載グレード)、49BGA、およびKGDにて提供可能です。 24BGAは6x8mm2で、コンシューマ向けやウェアラブル市場を対象としている49BGAは4x4mm2です。

ウィンボンド・エレクトロニクスについて

ウィンボンド・エレクトロニクスはトータルメモリソリューションプロバイダです。製品の設計、研究開発、製造、および販売サービスのエキスパートとして、お客様のニーズに基づいたメモリソリューションを提供しています。ウィンボンド・エレクトロニクスの製品ポートフォリオは、スペシャリティDRAM、モバイルDRAM、およびコードストレージフラッシュで、通信、家電、車載、産業用、そしてコンピュータ周辺機器市場におけるTier1メーカーで広く採用されています。

台湾中部サイエンスパーク(CTSP)を拠点とし、米国、日本、イスラエル、中国、香港に子会社を有しています。

稼働中の台湾・台中の12インチファブ、および新たに建設を進めている高雄の12インチファブをベースに、高品質メモリ製品を提供するため、更なる自社技術開発を進めています。

 

 

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