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ICバウンダリスキャンテクノロジーによるSoCとDRAMの接続:モバイルDRAMのコスト削減を実現

電子機器に複雑なアプリケーションが組み込まれるにつれて、ICに期待されるスループットも高まりつつありますが、ウィンボンドはクロックの高速化やI/Oを追加することでこの課題をクリアしました。今回は、このテーマについて解説します。通常高クロックでは、クロストーク、EMI(電磁干渉)などのシグナルインテグリティ(SI/信号保全性)の問題が発生します。この現象はクロックスピードが上昇し続けることで急激に悪化します。一方、I/Oを追加することで、それらの問題を回避し多くのデータを同時に送受信することが可能になります。

 

1:今日のDRAM周辺環境

 

スループットを向上させるためにデータパスを広げることは一つの手段です。そのため、SoCとDRAM間など、IC間の接続が増えています(図1)。正常な接続を確認するには接続テストが必要になりますが、ICパッド数により時間とコスト等のテスト費用が増加します。さらに、最新の電子デバイスでは、SIP(システムインパッケージ)がより一般的になってきており、たとえば、iPhoneXは初期の機種より多くのSIPが採用されており、SIPソリューションが再びコンシューマデバイスで使用されると、接続テスト費用は高くなります。

 

なぜSIP接続の処理は難しいのでしょうか。 SIPは、ワイヤボンディングとフリップチップの2つのカテゴリに分類できます。 しかし、SIPでの使用方法にかかわらず、10年前に一般的に使用されていたPCB内ではなく、パッケージ内部を調べるための接続が必要となります。 デバイスメーカーは、SIP終了後に接続障害が見つからなかった場合、大きな損失を被ってしまいます。

 

従来、ICデザイン業者は同様のICテスト問題を抱えています。 今日のICテスト戦略として、DFT(Design for Testability)とBIST(Built In Self Test)が一般的に使用されています。 チップ全体のD型フリップフロップは、入力の長いシーケンスを受け取り、出力ピンの正しさをチェックするために直列カスケードに変更されます(図2)。

2:従来のバウンダリスキャンは内部ICのBISTに使用されていた

 

DRAM、GDDR3のJEDEC業界規格では、デバイスが自動チェック方法やバウンダリスキャンメカニズムを指定します。これは、接続が正しいかどうかにかかわらずデータの事前設定を有効なものに転送するときに適用できます。GDDRはビデオゲームへの使用されることが多いですが、高いバンド幅と低いレイテンシー特性により、GPU(Graphic Processing Unit/グラフィック処理ユニット)は、グラフィックカード内のレンダリングコンテキスト周辺機器GDDRチップに迅速にアクセスすることができます。GDDRのメカニズムは、従来のバウンダリスキャン技術でIC内部の製造上欠陥を検出する代わりに、グラフィックカード内のPCBレベルの接続不良を検出することが可能です。

 

ウィンボンドは、この規格と同様なものを提供することで、お客様により一層の信頼を与え、またこのメソッドの取り扱いを容易にしました。SIPは、厳しいスペース制限をもつモバイルアプリケーションでよく使用されますが、同時に接続不良を検出することをさらに困難にします。 ICがパッケージ内の接続不良を検出する自己テスト方法を持てるなら、製品が市場に出回る前にテストやコストを含む多くの労力を節約できます。また、エンドユーザーへ出荷後にセルフテストすることで、不良解析手順において多くの時間を節約するという更なるメリットが生じます。

 

ウィンボンドの新たなバウンダリスキャンモード

ウィンボンドのデバイスは、ユーザーがメモリコントローラとメモリデバイス本体間の接続性をテストするためのバウンダリスキャンチェーンを用いて構築されています。バウンダリスキャンチェーンは、メモリコントローラとメモリデバイス間の接続状態を簡単にチェックする方法を提供し、またそれは、SEN入力によってイネーブルにすることができます。メモリコントローラとメモリデバイス間の各IOのすべての接続状態は、スキャンチェーンによって並列にラッチされ、専用の出力ピンから連続的に読み出されます。

 

DRAMがこのモードで動作するとき、SOC側はPUT(ピンアンダーテスト)の並列所定パターンをDRAM側に送ることができます(図3)。各SCK(スキャンクロック)ピンでプッシュすることにより、SOCは最終的にシリーズシーケンス内のSOUT(スキャンアウト)ピンの正しさをチェックすることができます。 この方法は、ディスクリートチップまたはSIPシナリオで使用できます。

 

 

    3:バウンダリスキャンによって接続チェックが行われる

 

操作管理

バウンダリスキャン操作には2種類のモードがあります。

バウンダリスキャン提供のロードマップ

ウィンボンドのロードマップでは、既にサンプル提供中の2GビットのW97BH2Mシリーズと並行し、今後数か月で多くのLPDDRにバウンダリスキャン機能が加わり、2019年前半にはバウンダリスキャン機能装備の新製品に4GビットのLPDDRも含まれる予定です。

 

これら新製品により、携帯電話や他のデバイスメーカーはDRAM起因のコスト削減が可能となり、またバウンダリスキャンモード操作の単純性により時間短縮を図ることができます。

 

林修民 著

モバイルDRAMマーケティングマネージャ

ウィンボンド

 

 

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